★野村ヒロキ 大4 男★

2016年06月07日

「東日本大震災と子ども~3.11 あの日から何が変わったか~」

 

私は知った。「復興」において最も大切なことは物資の支援や経済発展ではなく、 被災した方々の心のケアであるということを。
本書では、子どもを中心として被災後の心の変化や人間関係について書かれているが、 あえて「子ども」を中心とせず、「被災者した方々」という位置付けで述べていく。
私がこの本を読んで最も心に感じたことは、「長い年月が経つと、人は多くのことを 忘れてしまう生き物なんだ」ということだ。3.11の震災当時、 世間の話題は「東日本大震災」で持ちきりだった。テレビをつけても、 新聞を開いても、友人や先生に会ってもこの話題が出なかったことはなかった。
しかしどうだろう、5年以上が経過した今「東日本大震災」の話をしている人が 周りにどれくらいいるだろうか、被災された方々以外の人は一部のボランティアを除くと、 ほとんど気にすることすらしていないのが現状ではないだろうか。
こういった現象がなぜ起きているのかと考えると、 「実態を知らない・体験していない」ということがあげられる。
つまり、深い関心がないと人間は時間とともに大切なことを忘れてしまうのだ。
この現象を少しでも改善するためには多くの人に被害の実態、被災者の気持ちを 知ってもらうことにあると考える。
その活動の一つとして、本書を多くの人に広めることはとても魅力的であると考える。
また、本書を読み、復興において大切なこととはなにかを考えた結果、 私は子ども達が、子ども達自身で傷ついた心の修復をおこなっていく姿を想像し、 「心のケア」が最も大切なことではないかと考えた。街に建物が建ち、人が増え、 物が溢れることが復興ではないと考えるからである。周囲の人たちと共感し合うことや、 失ったものや恐怖、トラウマといったものを自分の一部として受け止めることが 1番の「復興」なのではないか。
当事者同士や身内には語れないことも第三者であるボランティアになら語れることも多くあると 考える。
復興の意味を考えて行動することが今後のボランティアに必要なことではないだろうか。
私自身、被災地である山元町に2度足を運んだことがあるが、 熊本の震災が起きてから東日本大震災の関心が薄れていたと自覚している。
大切なのは、忘れないこと。
そして、心のケア。

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