今すぐ出来る安全教育

親子の信頼関係がカギに!
子どもを危険から守るために0歳からできること

親子の信頼関係がカギに!子どもを危険から守るために0歳からできること

小学校入学前までの幼児期が、子どもの安全教育に最も力を入れるべき期間だということ、知っていましたか?そして、自分で自分の身を守れる子に育てるためには、0歳から安全教育をスタートする必要があるのだとか。しかし、そんな小さな子どもに一体どんなことをすればいいのでしょうか?

子どもが自ら危険から身を守るためには、心と体両方に安全力を育んでいく必要がありますが、心の力となるのが、親子の信頼関係です。
赤ちゃんは、例えば泣いたときにおかあさんなどが抱っこしたりあやしてくれたりすることで、「自分が愛されている」ということを感じ取るそう。そして、そうしたおかあさんなどおうちの人のやさしさや温かさこそが、自分の身を守るために必要な土台と。

たくさんの愛情を注がれたことで、“もしも自分になにかあったら大切な人が悲しむ”と思える子は、危機に直面したとき『どうにかして助かるんだ』という強い気持ちを持つことができることでしょう。

では、子どもとの絆をさらに深め、心の安全力を養っていくためには、どんなことが他に必要なのか、年齢別に詳しくみていきましょう。

年少期=3~4歳

自分やお友だちが大切な存在であることを知ると同時に、住んでいる地域に親しみを覚えさせる時期
▼家庭での安全教育

・この時期にもっとも気を付けるべきは不慮の事故。「子どもだけで留守番させない」「ベランダに踏み台になるようなものを置かない」「アイロンを放置しない」など、日頃からおとなが細心の注意を払うことで防げることはたくさんあります。

▼家の外での安全教育

・手をつないで歩く習慣をつけてください。子どもと手をつないで近所をお散歩し、まち歩きのルールを教えましょう。「信号は青になったら渡ってOK」という基本的な交通ルールはもちろんのこと、一緒に馴染みの店での買い物を楽しむなどして、子どもに、住んでいる地域に親しみを持たせることも大切。近所の人に顔を覚えてもらえたら、子どもが成長して一人でまち歩きができるようになったときにも安心ですし、数年後に一人歩きをするときにもとても役立ちます。

▼心に訴える安全教育

・1日1分でもいいので、子どもの目を見てお話しする時間を持ちましょう。「ママは自分の話を聞いてくれる」と、信頼関係もより確かなものになるもの。成長していじめなどの問題にぶつかったとき、親に相談できるかどうかは、幼児期にどれだけ会話をしたかによっても左右されると言えるでしょう。

・日々、愛情を持って接することで、子どもは自分の価値を実感します。親にとって自分が大切な存在なんだと分かれば、自分のことを大切にしようと思うばかりか、相手のことを思いやる気持ちも強くなります。

年長期=5~6歳

生活の中で信頼感を育み、ふさわしいあいさつができるように育てる時期
▼イヤなことは「イヤ」と言える強さが大切

・犯罪者に狙われやすいのは、1人でいる子ども、イヤなことを「イヤ」と言えない子など。日頃から、小さなことでも子どもの意思を確認する習慣をつけて、「Yes/No」、または考えを言える子に育てましょう。

・“今日着る服”“何をして遊ぶか”などを子どもに決めさせることで、「選ぶ力」をつけさせることも非常に大切。最初のうちは親が選択肢を提示するのもよいですが、徐々に、選択肢の用意そのものを自分でできる子に育てていくとよいですよ。

▼信頼できる人にはきちんと挨拶

・しっかりと前を見て歩き、すれ違う人が“挨拶すべき相手であるかどうか”が分かることは大切。知らない人にまで挨拶する必要はないですが、顔見知りのご近所の方には元気に挨拶する習慣をつけましょう。大きな声を出すのが苦手な子なら、頭を下げるだけでも大丈夫。

・親子の信頼関係がしっかりしていれば、親以外のおとなに対して「信頼できる人/そうでない人」を見分けるセンサーを働かせることができます。また、信頼できる人の言うことを素直に聞き入れる従順さは、自分の身を守る上でとても役に立ちます。

宮田先生によると、悪い人かどうかを見極めるのはとても難しいこと。この時期は特に、“信頼できる人がどういう人か”を知っておくことが大変有効なのです。
親や親戚、近所の人と信頼関係を結べている子どもは、この先、それと反する違和感に気づきやすくなります。つまり、「世の中には怖い人がいる」「変な人を見たら逃げろ」と教えるより、「信頼できる人はどういう人か」を伝えるほうが大切だということ。子どもと一緒に地域に溶け込んでいくことで、おかあさん、おとうさんにとっても、住んでいるまちが一層暮らしやすいまちになるとよいですね。

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