わが子を危険から守るために、
小学校6年間でやっておくべき9つのこと
小学校に入学するころになると、子どもは心身共にぐんぐん成長し始めますよね。親の目の届かないところで過ごす時間が増える分、危険に遭遇する可能性も増してしまいますが、同時に、自ら身を守る力も伸びる時期なです。
とはいえ、親が教えるべきこともまだまだたくさん。では、具体的にどんなことを教えたら、自分で自分の身を守れる子に育つのでしょうか?
まず、小学校低学年の時期は、自分の命や体を守る具体的な方法を体得し始めるのに最も大切な時期幼児期に培った、親子の信頼関係による“心の安全力”を身体で表現できるようになるのがこの時期。自分を守るために必要な『前を見て歩く』『危険を予測する』『大きな声で伝える』『危険から離れる』などの行動が迅速に取れるよう、少しずつ練習していきましょう。といっても、“練習”と思ってやる必要はありません。鬼ごっこやかくれんぼなどの遊びを通して身体にすりこませることも大変有効ですので、テレビゲームばかりでなく外遊びも大いにさせてほしいものです。
では、学年別にやっておくべき事項を確認していきましょう。ますは、小学校に入ったばかりの1、2年生から。
1、2年生の子どもの安全教育
「先生の言うことを聞き、親に教えること」「学校からはまっすぐうちに帰ること」「1人にならないこと」「イヤなことはイヤと言うこと」「おうちの人以外の車に乗らない、一緒に行かないこと」の5つは最重要項目。子どもとしっかり確認しましょう。
犯罪者に遭遇した際、周囲に助けを求めるために大声で叫ぶことは有効ですが、恐怖感などから声が出なくなることもあります。「自分は声が出せる」という自信を身体に記憶させるために、本人に練習させるだけでなく、親自身も声を出して一緒に体験しましょう。また、防犯ブザーをつける際は、犯罪者から見える位置につけることが大切。同時に、何かあったときにすぐ鳴らせる位置である必要があります。電池が切れていないかのチェックもお忘れなく!
犯罪者から逃げるためには、とにかく近くに駆け込むことが大切です。たくさん走らせるほど、子どもを危険場面に置くことになります。一刻も早く危険から離れ、近くの商店などに駆け込むこと。そのためにも、鬼ごっこ、かくれんぼ、リレーなど、「走る」「叫ぶ」の動作を含む遊びをすることは、走って逃げる基礎作りにつながります。思いっきり走る体験をこの時期にさせてください。
3、4年生になると、子どもたちはまちの事情に精通してきますから、そうなったら今度は子どもたち同士で安全マップを作るのがおすすめです。毎日通学している子どもたちだからこそ知っている危険スポットもあるので、できあがったマップを確認して、親が把握しておくことも大切です。
では、その他の必須事項を見ていきましょう。
3、4年生の子どもの安全教育
緊急場面を想定し、ランドセルを背負った状態で走ってみることも必要です。重たくて走り難いと感じるでしょう。大切なランドセルだけれども、命はもっと大事。そのためにはためらわずに持ち物をあきらめて身軽になって走ることも、1つの選択肢として教えてほしいと思います。また、もしも手をつかまれたりしたら、手や体を大きく振ってバタバタさせることも有効です。走りきる体力がない場合、「防犯ブザーを鳴らしながら走る」「手を振り回しながら大声で叫ぶ」などの策を講じておくことも有効です。
ルール違反やルール無視をすることが、危険に巻き込まれるきっかけとなる場合も少なくありません。だからこそ、「なぜこのルールがあるのか」「守らなかったらどういう危険があるのか」について、親子で話し合い、考える機会を持って、ルールに従って行動できるようにしていきましょう。
学校で作る前に、まずは家庭で「安全マップ」を作成しましょう。家族全員で集まって「この道は陽が落ちると暗い」などと話しながらマップを作り、実際にできたものを持ってもう一度親子で歩いて確認しましょう。
最後に、中学校入学を控えた5、6年生の安全教育。自分で危険を予測して、回避するための選択肢から状況に相応しい対応が取れる力をより高める時期です。自分の安全ばかりでなく、周囲の人の安全のためにも行動できることが大事です。
5、6年生の子どもの安全教育
自分や周りの人の安全にも配慮し、危険を察知した際には親や先生をはじめとする周りの大人に報告したり、けがや事故が起こらないよう、家庭や教室などの環境を整えることが予防につながることを教え、実践させましょう。また、この時期は「恥ずかしい」などという気持ちが芽生える時期でもあるので、親子の会話が減らないよう心掛けることも重要です。
「いつもと違うのはなぜなのか」「違うことによってどういう事態に陥ることが考えられるのか」「それを避けるために自分はどう動けばいいか」を子どもに考えさせることはとても大事。「こういうことがあったらどうする?」と親子で危機のシミュレーションをすることで予想・判断する力が身に付き、自ずと子どもは危険なものに近付かないようになります。
さらに、子どもの学年に関係なく、安全教育は「子どもと親との間だけでおこなうもの」と捉えるのではなく、地域の人との関わり、つながりを大事にし、事故が発生しやすい道などの情報を交換し合ったり、災害に備えることも大切です。子どもが毎日安心して通学できるよう、周りの大人たちみんなでサポートしていきたいものですね。