東日本大震災と子ども 〜3.11あの日から何が変わったか〜

★アンドレ 高校3 男★

正直、僕や僕のまわりの人たちにとっての東日本大震災は5年たった今「過去のこと」として 捉えられています。
当時僕は小学生。あの頃はただ地震、津波が家を壊す、流すという「目に見える物理的災害」 =「被災する」という単純な考えしか無かったのが事実です。
しかし17歳になり、あの頃よりは広い視野を持てるようになった今、記憶の奥にあった東日 本大震災、さらにその子どもたちにスポットを当てたこの本に17歳という絶好の時期で出会い、 考えることが出来て凄く良かったです。
また紹介してくださり感謝しています。

 

全て読みましたが、この感想文では第三部に絞って書きます。

 

ここではハルちゃん、アキちゃんという僕より一つ年下の女の子たちとクラスメートが登場し ますが、まず一番初めに持った感想は「この二人の女の子たちは凄くしっかりしているな」と いうことです!

 

当時の僕なんて遊ぶことと食べることしか考えてませんでしたから(笑)
しかしこれも被災したことが原因と考えるならば、少し悲しい気もします。

 

この二人のクラスでは震災を境にクラスでいじめが起きました。
小学生の僕が感じていた「被災する」とは違う「被災する」。
つまり、震災後の「精神的な被災」の影響が表面化したものの一つにいじめがあるのだと思 います。
いじめはいじめですが、一括でいじめと言うのは違うと作者の宮田美恵子さんが言っていた ように、 そのいじめが震災の影響で起きていることを子どもたち自身も気づいていました。

 

そこでハルちゃんはあくまでも「いじめ」ではなく「八つ当たり」という言葉に置き換えて いました。
ハルちゃんがクラスの状況を見抜きかつ、クラスメートと苦しみを分けあっていることに感 動しました。

 

この本で学んだことを一言で言うと、「苦しみを共有する大切さ」です。
このクラスでは後にいじめは無くなります。
その根底には共感があると作者も言っていました。
人が辛いことを分かろうとする。
これは東北に住んでいない僕たちに言えることです。
同じ値の苦しみ、痛みは共有できなくとも、苦しみを知ろうとすること。
想いを理解しようとすることが復興への前進に繋がると僕は思いました。
まだ復興していないところもあり、これから次いつ大地震が起こるか分かりませんが、上のこ とを実行、行動ができるような大人になりたいです!

 

長々と稚拙な文章を失礼しました(笑)
まだ書き足りないぐらいですが(笑)
とてもいい本でした!!

★野村ヒロキ 大4 男★

「東日本大震災と子ども~3.11 あの日から何が変わったか~」

 

私は知った。「復興」において最も大切なことは物資の支援や経済発展ではなく、 被災した方々の心のケアであるということを。
本書では、子どもを中心として被災後の心の変化や人間関係について書かれているが、 あえて「子ども」を中心とせず、「被災者した方々」という位置付けで述べていく。
私がこの本を読んで最も心に感じたことは、「長い年月が経つと、人は多くのことを 忘れてしまう生き物なんだ」ということだ。3.11の震災当時、 世間の話題は「東日本大震災」で持ちきりだった。テレビをつけても、 新聞を開いても、友人や先生に会ってもこの話題が出なかったことはなかった。
しかしどうだろう、5年以上が経過した今「東日本大震災」の話をしている人が 周りにどれくらいいるだろうか、被災された方々以外の人は一部のボランティアを除くと、 ほとんど気にすることすらしていないのが現状ではないだろうか。
こういった現象がなぜ起きているのかと考えると、 「実態を知らない・体験していない」ということがあげられる。
つまり、深い関心がないと人間は時間とともに大切なことを忘れてしまうのだ。
この現象を少しでも改善するためには多くの人に被害の実態、被災者の気持ちを 知ってもらうことにあると考える。
その活動の一つとして、本書を多くの人に広めることはとても魅力的であると考える。
また、本書を読み、復興において大切なこととはなにかを考えた結果、 私は子ども達が、子ども達自身で傷ついた心の修復をおこなっていく姿を想像し、 「心のケア」が最も大切なことではないかと考えた。街に建物が建ち、人が増え、 物が溢れることが復興ではないと考えるからである。周囲の人たちと共感し合うことや、 失ったものや恐怖、トラウマといったものを自分の一部として受け止めることが 1番の「復興」なのではないか。
当事者同士や身内には語れないことも第三者であるボランティアになら語れることも多くあると 考える。
復興の意味を考えて行動することが今後のボランティアに必要なことではないだろうか。
私自身、被災地である山元町に2度足を運んだことがあるが、 熊本の震災が起きてから東日本大震災の関心が薄れていたと自覚している。
大切なのは、忘れないこと。
そして、心のケア。

★ヒロム 大3 男★

本を読んで一番初めに感じたこと。

 

「熊本の震災のことばかりで東日本大震災の印象が薄くなっていた」でした。

 

5年前の3月11日、僕は友人達とテスト勉強の息抜きでカラオケにいました。
はしゃいでいたので揺れにも店員が部屋に入ってくるまで気づきませんでした。
最初は正直地震なんていつもの事だし大袈裟だと思っていたし むしろ「友達との時間を邪魔された」くらいに捉えていました。
外に避難して携帯でニュースの中継を見ると…

 

画面の中で起きている事に言葉を失いました。
大震災なんて歴史の教科書の中でしか見たことないし、 自分が生きている間にそんなこと起こるとも思っていませんでした。
震源が宮城県沖と聞いて脳裏に過ぎったのが転校して行った親友のことでした。
すぐにメールをしてみましたがサーバーに接続できなくて安否も確認できない、 ただひたすら不安でした。
メールを送ってから何日か経って親友から返信がありました。
ホッとしたのと同時に何か行動をしなくてはいけないと考え、 高校で募金をすることを生徒会に提案し、校長先生に掛け合ってもらいました。
当時の僕はアルバイトを始めたばかりでたった1000円しか募金することができませんでした。

 

それから5年経った今、僕は何も変わることができませんでした。
ボランティアに行こうと思っても自力で行く力もない。
自分の無力さを情けなく思っていました。
しかし本を読み進めるうちにこの本を読んで5年前のことを思い出し、 まだ震災の爪痕は消えていないことを意識することが大事なのだと感じました。
もしこの本を通して貢献できることがあれば 僕は他の人に伝えていくことくらいかもしれません。
それでも非日常に生きている人の事を思い 今何不自由なく生活できている事に幸せを噛み締めていこうと思いました。

 

もっと僕にもできることあったら言ってください!

★みれい 中3女★

私が一番印象に残っているのは、幼稚園から中学生までの5人の女の子達が楽しそうに笑って いる写真です。
みんなそれぞれに被災し、大切な身近な人を亡くした子もいるのに、この笑顔…と思い複雑な 気持ちになりました。

 

でも、この笑顔は本物ではなく、その裏側にある大きな悲しみと憤りがそうさせているという ことがわかり納得しました。
人間が大切な人や物をなくす体験をした時に、それを乗り越えるためにそうせざるを得ないと いうこと。

 

悲しみで心がパンクしてしまわないように大騒ぎしたり大げさに笑ったりすることで、心のバ ランスを保っていること。

 

それが全てこの「笑顔」となって表れていることが書かれていました。
そこまでの体験をしたことのない私にはこの部分は衝撃的でした。
普通に生活することが当たり前ではないこと、普通であることの大切さを感じました。

 

以上です。
よろしくお願いします。

★佐々木颯人

この本を読んで川口に大きな被害が無くて本当に良かったと思いました。
避難訓練でふざけ半分でやっていたりしたことがいざと言う時に使うことになったら怖いと思 いました。
いざと言う時に誰かを守ったり、誰かを助けたり自分の身を守る時に自分だけでもちゃんとし た対応をしないとくるしむのは自分だろうからたかが練習だろうと真面目に真剣に取り組まな ければいけないんだと思いました。

 

大きな震災や津波の影響でもし家が崩壊して浸水した時に落ち着いた行動をとることや、最近 の熊本であった震災も他人事ではないと思ったのでその状況に適した対応をできるように心が けたいです。
お母さんに会えない悲しみや家が壊れた恐怖は被害に会ってないぼくにはわからないけど、 この本で多くの人がこの恐怖を味わったことがわかってすこし怖くなりました。
また、家族ばらばらになった時の集合場所もあらかじめきめておいていたいです。
そして、こういう被害にあったときにちゃんとした対応をとれるように考えておきたいです。

★岩岡ユウシ

僕たちの地域と違って向こうは、地震だけでなく火事だったり、津波がおきていて、すごく大 変な状態だったんだなと思います。
写真を見ると、行き場をなくした人たちがたくさんいて、家はなくなり、家族もなくなり、し かしそんな中いち早く復興を願う人たちが 力を合わせて、自分達の町を直そうとする人たちを見て感動しました。
もとのようにはならないかもしれないけど必死にやっている人たちを見ると逆にこっちが力を もらえるような気がします。
今度このようなことがあったら自分も力になりたいと思いました。

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